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食品会社のホームページが伝わらない理由|現場訪問で発見した10の「当たり前」の価値

食品会社のホームページには、よく似た言葉が並んでいます。

「安全・安心」「こだわりの製法」「厳選した素材」——。

それ自体が間違いではありません。ただ、競合他社も同じ言葉を使っている。読んだ人の記憶に何も残らない。問い合わせにつながらない。

この問題の原因は、「伝え方」ではありません。「何を伝えるか」が見つけられていないことにあります。

私は食品業界専門のコンサルタントとして、これまで40社以上の食品会社・農家・飲食店の現場を訪問してきました。FABEX東京・関西で主催者特別セミナーの登壇実績もあり、共著書籍「いちばんわかりやすい!食品通販ビジネスの教科書」(2026年2月)でも食品ブランドの言語化について書いています。

その経験から断言できることがあります。

作り手は、自分の強みに気づいていない。

工場、畑、厨房——現場に1日入ると、作り手が「当たり前」と思っているものの中に、消費者にも競合他社にも真似できない価値が、いくつも眠っています。今回は、現場訪問で実際に発見してきた”埋もれた強み”の実例を10個紹介します。

現場でしか見つからない”埋もれた強み”10選

01|「なぜ機械を使わないのか」を聞く

ある日本酒・米の生産現場を訪れたとき、スタッフが手作業で丁寧に工程を進めているところを見ました。

「機械でできないんですか?」と聞くと、こう返ってきました。

「科学的な根拠はないんですけど、手でやった方が美味しくなる気がするんです」

この一言は、ホームページにそのまま活きます。「科学的な根拠はないけれど、手でやる」——それは数字や効率よりも、美味しさへの信念を優先するという意思表明です。

作り手にとって当たり前の工程ほど、「なぜそうするのか」を聞いてみる価値があります。そこにブランドの核が眠っていることが多い。

ホームページへの反映例:「なぜ手でやるのか」を問いかけ形式で見出しにし、製法ページのキャッチコピーに使う。

02|畑の「水」に気づく

野菜や果物の生産農家を訪れたとき、畑の脇を歩いていると、地面から水が湧いているのが目に入りました。

「この水って、どんな水ですか?」

後から調べると、その土地にはミネラル豊富な湧き水があることがわかりました。現地を訪れ、実際に商品を食べてみると、「甘さの奥に複雑な深みがある」と感じました。それがその土地の農作物の味の複雑さを支えているという仮説が立てられます。

産地の紹介がただの「本場の〇〇」で終わらず、「なぜこの土地でなければならないのか」という唯一性の訴求になる。それが土地を訪れることで初めて見えてくる視点です。

ホームページへの反映例:「ミネラル豊富な湧き水が育てる、深みの甘さ」という軸でブランドコンセプトを設計。素材説明ページの冒頭コピーに使用。

03|お客さんの「会話」を聞く

ある飲食店での打ち合わせで、昼食を一緒にとりながら店内で過ごす時間がありました。

窓際で食事をしていると、来店しているお客さんの会話が聞こえてきます。「ヨガの帰りに寄ろうって言ってたじゃない」「お稽古のついでにね」——。

お店の方に確認すると、「そういえば、そういうお客様が多い気がします」。過去のアンケートを一緒に見返すと、確かにそのパターンが多くありました。

「ターゲット:50代女性」という設定は間違いではなかったかもしれませんが、「どんな場面で来るのか」が見えていなかった。「習い事・ヨガのあとに、ちょっと自分を労わる時間」というシーンをホームページのビジュアルや文章に落とし込むだけで、ページの刺さり方が変わります。

ホームページへの反映例:ヒーロー画像のキャプションや「こんな方におすすめ」セクションに、利用シーンを具体的に明示する。

04|店の裏に貼ってある「手紙」と「賞状」

ある食品店の現場を訪れたとき、作業スペースの壁にさりげなく貼ってあるものが目に入りました。お客様から届いた手書きの感謝の手紙と、地域のコンテストで受賞した賞状です。

「これ、ホームページに載せましょう」と伝えると、「こんなの意味あるんですか?」というリアクション。

ブランドをはじめたばかりの時期や、まだ知名度が低い段階では、「信頼の証明」が最も難しい課題です。実績が少ない段階でも、一枚の手紙や賞状が「ちゃんとした会社だ」という安心感を与えます。作り手が「こんなもの」と思っているものが、見る人には大きな信頼になります。

ホームページへの反映例:お客様の声セクション、または「実績・受賞歴」ページを設け、写真と合わせて掲載。

05|喫茶店の「焙煎メモ」と「一粒一粒の手選定」

ある喫茶店の現場で、コーヒー豆の仕込みをしているところに立ち会いました。焙煎前に、スタッフが豆を一粒ずつ手で確認し、状態の悪いものをはじいていきます。

「これ、どこでもやっていることですか?」と聞くと、「やっていないところもあるみたいですが、普通じゃないですかね」という返答。

一粒一粒を手で選ぶ——一般の人間には明らかに「大変な作業」です。さらに壁を見ると、豆の種類ごとに焙煎の温度・時間・感触を記録した大量のメモ書きが貼られていました。

「このメモ、写真を撮らせてください」——そのメモの写真と手選定の様子を動画で撮影し、サイトに組み込みました。「こだわりの焙煎」という言葉だけでは伝わらない職人の仕事が、目に見える形になります。

ホームページへの反映例:製法ページに写真・短動画を掲載。「なぜここまでやるのか」を問いかけ形式のコピーで表現する。

06|「強み」はお客さんが教えてくれることもある

かなりアクセスの不便な場所で営業している農家・食品店を訪れたとき、わざわざ足を運んでくれるお客さんに直接声をかけてみました。

「なんで来てくれたんですか?」

「友達のSNSで紹介されてたんです。大盛りすぎてびっくり、って書いてあって」

当時、「小さくておしゃれな商品展開」という方向性が議題になっていました。しかし、実際に遠方からでも足を運ばせる力を持っていたのは、そのボリューム感というインパクトでした。

ホームページに掲載する商品の見せ方・強調するポイントは、机上で決めるのではなく、お客さんの反応から見つけるべきです。現場でお客さんに話しかけることが、最良のユーザーリサーチになります。

ホームページへの反映例:トップページのキービジュアルに実際の「インパクト」を前面に。お客さんが使った言葉をそのままキャッチコピーの素材にする。

07|商品の「並べ方」は実物で試す

ある食品メーカーの現場訪問で、ホームページに掲載する商品ラインナップの構成を検討しました。どの商品を前面に出すか、何と一緒に見せるか——それを口頭で議論するのではなく、実際に商品を並べながら試しました。

この組み合わせはどう見えるか、この大きさの商品はどう伝わるか、価格帯のバランスはどうか——現物があるから判断できることがあります。「ホームページの掲載設計」は、実物を見ながら行うことで、より伝わりやすい構成になります。

ホームページへの反映例:商品一覧ページの並び順・特集セクションの構成を、現場で実物を見ながら決定してから制作に入る。

08|社員の「笑顔」が商品の品質を証明する

ある生産現場を訪問したとき、打ち合わせ中も、廊下ですれ違うときも、スタッフ全員の笑顔が絶えませんでした。

この雰囲気は、「働きやすい職場」「誇りを持てる仕事」の表れです。そしてそれは、商品の品質と直結します。社員の皆さんに集まってもらい、笑顔の写真を撮影してホームページに掲載しました。「おいしさの裏にいる人を見せる」——商品の成分や製法だけが品質の証明ではありません。

ホームページへの反映例:「作り手紹介」または「会社の雰囲気」ページを設け、スタッフの笑顔と一言コメントを掲載。

09|現場の「余白」から新しい訴求が生まれる

現場を訪れると、製造・保管スペースの「余白」が見えることがあります。まだキャパシティに余裕のある設備、稼働していない時間帯のライン——そういった「今使えていないリソース」を把握することで、ホームページで新たに訴求できるサービスや商品ラインの可能性が見えてきます。

サイトに掲載するのは「今あるもの」だけではなく、「できることの幅」も含めて設計できます。現場を見るから、その可能性が見えます。

10|「積み残した課題」をその場で片付けると信頼が生まれる

現場訪問では、ホームページと直接関係ない課題が見えることもあります。帳票や事務作業が山積みになっていたり、デジタル化が進んでいなかったり——「やらなければいけないけど後回しになっていること」は、どこの現場にもあります。

「じゃあ今やりましょう」とPCを並べてその場で対応する。それだけで、依頼者との信頼関係が一気に深まります。信頼関係が深まると、ヒアリングの密度も上がり、ホームページの内容がより本質に近づきます。

まとめ:「当たり前」の中にしか、本当の強みはない

10の事例を通じて共通しているのは、作り手が「当たり前」と思っていることの中に、価値が眠っているということです。

  • 手でやっている → なぜ機械を使わないのか
  • 水が湧いている → この土地でなければならない理由
  • お客さんが来ている → どんな場面で来ているのか
  • 壁に貼ってある → 信頼の証明になる

これらはすべて、現場に行かなければ見えません。オンライン会議の打ち合わせだけでは、出てこない情報です。

「安心・美味しさ」で終わらない、あなたの会社だけのホームページ・サイト制作は、現場から始まります。


JOSデザインでは、現場訪問(10:00〜17:00)を含むホームページ・サイト制作を30万円(税別)から提供しています。全国対応・交通費および宿泊費は当社負担です。

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