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食品ブランド育成術シリーズ 第二話:世の中の大きな波に乗る船をつくれ

前回の記事では、少々暑苦しいことを書きました。

はっきり言って、良いものをつくろうとする意思がないことには、私は大嫌いです。

それはともかく、今回お伝えすることは、良いものをつくろうとしない方にとっても重要な話です。


ECサイトを立ち上げるとき、トレンドは無視せよ

「トレンドに乗った方が良さそう」と感じる方は多いと思います。しかし、ここで私が言う「トレンド」とは、大きな波のスタメンに入っていない流行のことです。一過性のブームである可能性が高いものです。

たとえば、タピオカが流行ったからといって、タピオカ専門店に会社の命運をかける必要はありません。一過性のブームは無視した方が、本質的なことに集中できます。

ただし補足すると、「衣→食→住に時流が浸透する」という原則で言えば、アパレル業界では異なる判断になる場合もあります。食品業界の話として、続きをお読みください。


食品ビジネスにとって重要な、5つの大きな波

他にも多くの流れがありますが、私が意思決定においてよく使う5つを取り上げます。

1. 顧客がワガママになる(市場の成熟)

市場が成熟すると、顧客は購買に慣れてきます。自分のスタイルが確立され、ニーズが細分化されていきます。顧客が「自分のために用意された商品」を選ぶ傾向が、より強くなっていくのです。

「母の日ギフトにおすすめのセット」よりも、「70代の母におすすめの母の日専用ギフトセット(お花付き)」の方が、選ばれやすくなります。

売場設計においても、顧客がストレスを感じない工夫が一段と必要になります。ECの売場でよくある例を挙げると、顧客は「提案をしてほしい」と思いながら、同時に「一覧も見せてほしい」と感じています。一見ワガママに見えますが、顧客をワガママにさせる設計の方が、長期的には有利です。

2. 働き手が不足していく

働き手が不足する傾向は、10年後も変わらないでしょう。正社員をたくさん確保することは、非常に難しい時代になっています。

専門家の活用・フリーランスの活用・ツールの利用を駆使して、食品の中小企業でも1社員あたり年間1,500万円の粗利を稼げる体制を目指したいところです。

食品の観点からも、以下の3点が望ましいと考えます。

  • OEMを活用できる製品
  • 発送外注しやすい常温・冷凍商品(賞味期限が長い商品)
  • 高付加価値型の商品(後述します)

3. コスパ・タイパ・潔癖が進む

働き手は不足していますが、物価高騰や家族のあり方の変化から、共働き家庭は増えています。一人暮らしの社会人も、日々の時間効率を強く意識しています。

コスパ・タイパ・潔癖志向はどんどん進んでいます。「WEBで完結させたい」「人との距離感を大切にしたい」という流れは、コロナ禍で加速しましたが、実はコロナ以前から起こるはずだった変化でした。コロナはその流れを早めただけです。

食品としては、以下のような商品が売りやすくなっています。

  • 切られている・小分けにされている
  • 温めるだけで食べられる
  • 手が汚れない個包装になっている

4. 物価が高騰する

円安はブームに過ぎませんが、物価が高騰する流れは10年後も続いているでしょう。だからこそ、高付加価値型の商品を販売することが重要です。

高付加価値型商品のヒントはすでにあります。

  • 細分化したニーズに対して「自分ごと化」された商品
    例)誕生日専用ギフト商品、お酒好きの父に贈る〇〇
  • コスパ・タイパ・潔癖志向に刺さる商品
    例)小分けにされ個包装で手が汚れない商品

また、高く売るための取り組みはほかにも多くあります。

  • 原価が安いからといって安く売らない(適正価格を狙う)
  • 適切なキャッチコピーを活用する
  • 適切な売場を用意する
  • 適切な客層・媒体・タイミングで集客する
  • LTV(顧客生涯価値)最大化の施策を実施する

5. ボーダレス化が進む

世界中がインターネットで接続され、特定の産業の「中抜き」が進み、移住者・観光客も増えています。「境界線」が薄まる時代が続いています。

「超えるべきところ」と「守るべきところ」を明確にしてください。

全国販売・海外販売・海外工場の建設など、境界を超えるメリットがある一方で、独自性・地域性を守ることが大きな強みになる場面もあります。都心への一極集中が語られる今だからこそ、土地に根付いた個性や強みは、かえって際立ちます。


まとめ

これまで紹介した5つの大きな流れに乗れる「大きな船」を用意することが、食品ブランドを育てるうえで欠かせません。

一過性のトレンドを追うのではなく、10年後も続く構造的な変化を見据えて、自社の船をつくってください。


次回予告:5分でできる To Do

<To Do> 「〇〇専用の〇〇」という形式で、自社商品のアイデアを1つ考えて、名前だけ決めてみてください。

食品ブランド育成術シリーズ 第三話:食品EC事業のロードマップを敷け(近日公開)


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