食品ブランド育成術シリーズ 第六話:商品(仮)が最強か、調べ尽くせ② 自社の商品は競合に負けていないか?
前回は、ざっくりと顧客ニーズを見に行きました。
今回は、競合のスペックをまずはこちら側の言葉でも構いませんので、ざっくり見に行き、比較します。
引き続き、仮の商品企画は以下を使用します。
「贈答用 高級乾燥湯葉専門店の乾燥ゆばセット(入口商品・仮)」
自社の商品(仮)が最強かチェックするための10個の問い(おさらい)
- 自社の商品(仮)は必要とされているか?
- 自社の商品は競合に負けていないか? ← 今回のテーマ
- 自社の商品の真似できない理由は何か?
- 自社の数値目標達成のために、どのジャンルで1位を目指すのが適切か?
- 自社が今すぐ全国一位と呼べるのは何か?
- その「今すぐ呼べる全国一位」を携えて、これから誰に届けるか?
- 今すぐ呼べる全国一位のライバルはいるか?
- 届ける対象と同じ相手にアプローチするライバルはいるか?
- 今のジャンル一位ライバルは誰か?
- そのライバルに負けないか?
競合という言葉に混乱しないために
「え、競合に負けていないかをもうチェックするの?」と思われるかもしれません。
商品企画・設計の難しいところは、似た言葉なのに似て非なる概念が大量にあることです。「競合」もその典型で、少なくとも3種類に分けることができます。
いずれにせよ、「言葉」で覚えるのはナンセンスです。具体的な手順を体に染み付けていきましょう。
ややこしいから、街に出て考えよう
銀座に寿司屋を出そうとする場合を想像してください。それはインターネット上では、チーズケーキ専門店を出すようなものです。そのようにイメージしてみてください。
前回の「自社の商品(仮)は必要とされているか?」は、街に出て寿司屋に向かう人を見つけて声を盗み聞きしたり、Instagramを覗くような感覚でした。
今回は、その寿司屋がどんなものかを、まだ勝ち方がわからなくても細分化した項目ごとに「負けていないか」をチェックしていきます。
たとえば、こんな観点です。
- 店の作りはどんな感じ?
- 立地(通行人の質・量)はどんな感じ?
- 喫煙・非喫煙の対応は?
- 売上はどれくらい?
「うちは美味しいから大丈夫」というのは最も愚かだ
比較するとき、「美味しい」は1項目にしておきましょう。
どんなに美味しくても、1項目は1項目です。味が大事なのは正しいですが、味が美味しくてもあまり売れないケースも、味が悪くても人気が出るケースもあります。
ただし、香り・風味・食感・大きさ・酸味・辛味など、言葉にできる特徴は評価できます。これらは具体的な差別化ポイントとして扱うことができます。
まずできれば、外から見られる情報でざっくりチェック
洗い出した競合に対して「徹底的に食べ比べよ」と言いたいところですが、そんなことはありません。
まずは外から見える情報でざっくりチェックです。
ライバルという意味での競合・モデルという意味での競合を本格的に選定するのは、もっとあとの段階です。
「勝っているか」ではなく「負けていないか」という視点で見てください。
たとえばコーヒーの深煎りと中深煎りに優劣はありませんが、「負けていない」は言えるはずです。それと同じ感覚です。
たとえば湯葉なら
「湯葉 贈答」と検索すると、ECサイトが複数表示されます。それらをすべてエクセルに書き出していきます。
「湯葉 お取り寄せ」「湯葉 ネットショップ」でも同様に確認しておきましょう。
予想売上(企業年商・EC年商)をチェック
まずはChatGPTに聞くことをおすすめします(正確には、調べ方の組み立てと情報ソースの洗い出しをしてもらうイメージです)。
以下のように質問してみてください。
「〇〇(ブランド名またはサイト名)の単体企業年商・EC年商をフェルミ推定して、途中の情報ソースは示しながらプロセスも表示して教えて」
たとえば、湯葉関連のある企業を調べると、ChatGPTはおおよそ以下のように返してくることがあります。
- 全体の売上高(年商):数百億円規模(上場企業であれば開示情報から確認可能)
- 外販事業の売上高:数十億円規模(推定)
- ECショップ単体の推定売上高:数億円規模(推定)
必ず情報ソースを示させて、自分で確認しに行くことが重要です。
なお、私の感覚では、EC年商が外販事業の1割を超えていればかなり頑張っている方です。食品EC化率がおよそ4%であることを踏まえると、実態はさらに小さいことが多いと考えています。
商品力・売場力・集客力・接客力・固定化力を超ざっくりチェック
競合候補のサイトを実際に開いて、以下の5つの視点でざっくり評価しましょう。5段階評価でも構いません。
商品 何を売っているか。ラインナップ・見せ方・価格帯など。
売場 誰が何のために買うかが伝わるか。ページ構成・導線のわかりやすさ。
集客 広告を出しているか。SNSの運用状況。検索での見つけやすさ。
接客 用途別の提案はあるか。決済方法の充実度(Amazon Pay・各種スマホ決済の有無など)。
固定化 ポイント制度・メルマガ・SNSフォロワー数・リピート施策の状況。
これは、競合選定のための本格調査ですらありません。まずはざっくりとした全体像を掴むことが目的です。
また、競合を洗い出したときに「どこで」「何と検索して(またはせずに)」「どこから(例:検索順位6位)」アクセスしたかを記録しておくと、後々の分析で非常に役立ちます。
まとめ
繰り返しになりますが、今回は驚くほどのざっくりチェックです。
難しく考えず、以下の視点で確認してください。
- 売れているのか?
- 愛されているのか?
- 商品が優れているのか、特に何が良いのか?
- 見せ方が上手いのか?
- 集客が上手いのか(実店舗でいう立地戦略)?
- 接客・固定化が優れているのか?
今の段階では、これらは仮の競合・競合候補ですらありません。
ここから多くの手順を踏まえ、戦う土俵・ターゲット・自社のキャラクター・モデル・ライバルを絞り込んでいきます。
家具の組み立てをイメージしてください。4つのネジを締めるとき、1つずつ固定するのではなく、全体を2周回して均等に締めていくはずです。調査・企画もそれと同じ感覚です。
次回予告:5分でできる To Do
<To Do> 最も売れていそうな競合を1つだけ適当に選び、商品・売場・集客・接客・固定化に分けて、自社と比べたときのキャラクター・強み・弱みを洗い出してみてください。
食品ブランド育成術シリーズ 第七話:商品(仮)が最強か、調べ尽くせ③ 自社の商品の真似できない理由は何か?(近日公開)
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