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食品ブランド育成術シリーズ 第七話:商品(仮)が最強か、調べ尽くせ③ 自社の商品の真似できない理由は何か?

前回の第六話では、競合商品をざっくりと把握するための視点についてお伝えしました。今回は、自社の商品・品揃えが「真似されにくい理由」を洗い出すフェーズに入ります。

なお、本シリーズでは引き続き以下の仮の企画を題材にしています。

▶ 仮の企画:贈答用・高級乾燥湯葉専門店のECブランド(乾燥ゆばセットを入口商品とする)

個人的に、湯葉のECは勝ちパターンを作れそうなジャンルのひとつだと感じています。他にも、飲食業態のふぐEC、国産洋酒、上質な珍味なども面白いと思っています。


自社の商品(仮)が最強かチェックするための10個の問い(おさらい)

このシリーズでは、以下の10個の問いに沿って自社商品の可能性を丁寧に検証しています。

  1. 自社の商品(仮)は必要とされているか?
  2. 自社の商品は競合に負けていないか?
  3. 自社の商品の真似できない理由は何か? ← 今回はここ
  4. 自社の数値目標達成のために、どのジャンルで1位を目指すのが適切か?
  5. 自社が今すぐ全国一位と呼べるのは、何か?
  6. その今すぐ呼べる全国一位を携えて、これから誰に届けるか?
  7. 今すぐ呼べる全国一位のライバルはいるか?
  8. 届ける対象と同じ対象にアプローチするライバルはいるか?
  9. 今のジャンル一位ライバルは?
  10. ライバルに負けないか?

こちら側が自慢したい苦労・頑張っていること

差別化の源泉を探るにあたって、まずは「自分たちが何を誇りに思っているか」を正直に書き出してみることをおすすめします。

本来はマーケットイン(顧客視点)で語ることが理想ですが、現実問題として、作り手の視点で先に吐き出すことで思考が整理されやすくなります。

例えば、ある老舗和菓子ブランドが高級大福のネットショップを立ち上げた際、最初に挙がったのが「季節限定商品をコンスタントに出し続けていること」でした。そこから「ゆったりと季節を味わう生大福」というコンセプトが生まれ、ブランドの軸になっていったそうです。

こうした継続してきた苦労は、「一定の売上になるまでは、競合がわざわざバッティングしに来ない」という実質的な参入障壁にもなります。もちろん、季節感以前に、素材や製造法といった業界構造上の裏側の優位性が根本にあることも大切です。

「企業・ブランドの差別化要因の源泉」を探るこのフェーズでは、表に出てくるビジョンやキャッチコピーよりも、裏側にある構造的な事情が核になることが多いものです。


企業・ブランドの差別化要因の源泉の例

ここでは、よく見られる差別化の源泉をご紹介します。実際には無数のパターンがありますが、代表的なものを挙げていきます。

中規模企業だから、中程度の高付加価値商品が得意

中規模生産のメーカー・生産者には、次のような打ち手があります。

「スーパーやコンビニの商品よりも明らかに味が違うけれど、超高級ではない。少し贅沢な暮らしを提案するブランド」を展開できるのです。

大手メーカーが日常品を大量供給するなら、そこより少し上の価格帯を狙う戦略が有効です。大手も高級版をラインナップすることはありますが、どうしても片手間になりがちです。中規模企業であれば、その領域に覚悟を決めて全力投球できるという強みがあります。

中規模企業だから、仕入れられる素材の幅が広い

このパターンもよく見られます。理由は以下のとおりです。

  • 大手メーカーが扱おうとすると量が少なすぎて手が出ない素材を、存分に使える
  • 小規模メーカーではさばけないような一定量の素材を確保できる

「〇〇に最適な配合・素材選定」として力強く打ち出すことができますし、品揃えを豊富にする戦略も取りやすくなります。

企業規模の割に大きな設備投資をしたパターン

バリエーションはさまざまですが、頻出のパターンです。大きな設備投資が、結果として参入障壁になっているケースは少なくありません。

すでに圧倒的な名物商品・シリーズがあるパターン

一定のリスクは伴いますが、活かさない手はありません。冒険するか保守するか、さまざまなジレンマを抱えながら次の一手を考えることになりますが、その葛藤自体がブランドに深みをもたらします。

地域ブランドがあるパターン

全国的にはまだあまり知られていないケースも多く、過度な期待は禁物です。ただ、「一緒に育てる前提」で捉えると非常に有効な資産になります。

ブランドが大きくなったときに真似されにくくなる要素であって、直近のブーストにはほぼ役立ちません。ストックオプションのように、時間をかけて一緒に育てることで価値が出るものだと理解しておきましょう。

独自のシステム・仕組みを採用している

ここで問われるのは、「顧客にとっての価値に結びつくか?」です。特に効率化を強みにしている場合、効率化ができるだけでは不十分で、最終的な完成品が競合と比べて優れていなければなりません。次のステップで詳しく取り上げますが、この洗い出し段階では候補として挙げておいて問題ありません。

既存事業の顧客に、選んだ理由・継続している理由を聞く

これも非常に有効な手段です。既存の顧客はすでに自社の強みを体験している人たちです。「なぜ選んでくれたのか」「なぜ継続してくれているのか」を直接聞くことで、自分たちでは気づいていなかった強みが浮かび上がることがあります。レビューの収集も同様に有効です。


時流に沿っているか、チェックする

洗い出した強みが「時代の流れ」と合っているかも、一度確認しておきましょう。

第二話でお伝えした「世の中の大きな波」に乗れるかどうかを、立ち止まってチェックしてみてください。

例えば、「社員の定着率の高さ」を強みとするとします。働き手が減少している時流からすれば、今後ますます有利な差別化要因になるかもしれません。ただ、10年後にさらに働き手が減った状況でも、現在の体制が成り立つのか、余裕があるのか?を一度疑っておくことが大切です。

「わからない」で構いません。「一度疑ったことがあるか、ないか」で、その後の対応に大きな差が生まれるのです。


まとめ

自社の強みの見つけ方は人によってさまざまですが、この段階ではトップダウンでワンマン的に決めないようにしましょう。

意思決定はトップダウンが有効な場面も多いですが、差別化の源泉を探るプロセスは「攻めに見えて、守りの工程」です。

守りの工程では、客観性と網羅性を重視したいため、複数の人の目と耳を取り入れながら進めることをおすすめします。


次回予告

食品ブランド育成術シリーズ 第八話:商品(仮)が最強か、調べ尽くせ④ 自社の数値目標達成のために、どのジャンルで1位を目指すのが適切か?


5分でできる To Do

既存事業で最も関係の深い顧客に、以下を直接聞いてみましょう。

  • なぜ自社を選んでくれたのか?
  • なぜ継続してくれているのか?
  • 自社・企業の強みは何だと思うか?
  • 他の顧客はどう思っていると思うか?

ブランドの強みを、ホームページで正しく伝えていますか?

自社の差別化ポイントを整理できたら、次はそれをウェブサイトで伝えることが重要です。株式会社ジャッジのホームページ制作サービス「JOSデザイン」では、食品・地方企業・中小企業に特化したサイト制作をご提供しています。強みの言語化からデザイン・実装まで、一貫してサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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